国道418号 恵那−八百津 その2
通行日:2012/05/19(土)

国道418号 恵那−八百津 の経路図

 

笠置ダムから町道分岐へ (後編)

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笠置ダムのゲートから約5.8kmの地点。

木曽川の支流,名場居川にかかるこの年代物の橋は恵那市と八百津町との境に位置する。 現役国道ではあるが境界を示す標識はない。 (地図の中には橋を渡って200mほど進んだところを境界としているものも少しある) また,橋の名前を示す銘板はここでも欄干から取り去られている。

事前の情報収集では,この橋にバリケードがあって車の進入を阻んでいるとのことだったが,今は見ての通り撤去されている。
ただ,橋の向こう側にはコーンなど工事資材が橋の左右に少し残されていて,バリケード時期の面影を残している。

橋の上ではAUの携帯電話の電波状態は悪く,圏外にはならないもののアンテナ数は0本の表示。

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自動車通行止めの標識と通行禁止の案内板,再び。

先ほどの橋の写真撮影地点で後ろ(笠置ダム方向)を振り返るとこれが見える。 落書きで判読が難しい部分があるが,次のように書いてある。

通行止め
国道418号線は
ここから先5500mの区間は巾員狭小路肩軟弱で危険なため 車両の通行を禁止します
岐阜県恵那土木事務所

笠置ダムの近くにあったのと同じ案内板かと思いきや,次の点が微妙に異なる。 「国道418号」→「国道418号線」,「幅員」→「巾員」,「通行を禁止」→「車両の通行を禁止」。
それと,案内板に描かれている標識が車両通行止めになっている。

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橋の上から見た同じ通行禁止の案内板の方向。

迂回路への分岐もないし転回も困難な場所なのに,堂々たる車両通行止め宣言。 通行止めになるのももっともな道路だが,なぜここで?とは思う。
八百津町から恵那市に入ったところで改めて通行止め宣言をしたかったのだろうか。

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笠置ダムのゲートから約6.1kmの地点に横たわる倒木。

この倒木は,道路幅いっぱいに斜めに立てかけたように倒れていたのを,誰かが無理やりへし折って路面に寝かせ,通りやすくしたのではないかと思われる。これなら車で踏み越えていくこともできる。 とはいえ,自転車なのでここは無理せず降りて通過した。

さて,約5500mの通行止め案内板の区間を通過してから約300m進んだが,特に道路状態が良くなるということでもなく,相変わらず1.0車線のなだらかな崖の道である。
ただ,若干路面に湿り気が増えた気がする。 ぬかるみとか水溜りというほどではなく,路面が水を含んで柔らかくなった箇所が少し目立ってきたかなという程度なので,自転車を押して歩く必要はない。
ちなみに,ここまでの道のりで押して歩いたのはこの倒木が初めて。

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古びた視線誘導標(Traffic Delineator)。

道路脇にときどき視線誘導標があるが,このように支柱がさびているものもよく見かけた。
反射材の部分に破損などはないので暗いときもちゃんと機能するのかもしれないが,正直なところ,夜間にここを訪れるのは遠慮しておきたい。

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地面に打ち込まれている杭の頭部。

「国調多角」と記され,中央部には1331という数字と,国土調査という文字が記されている。
道中,他にも何個か見つけた。測量関係の目印なのかもしれない。

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笠置ダムのゲートから約6.3kmの地点。

「ダムから9.6km」という案内板のちょうど前。 路面がぬかるんでいて,水たまりもできている。 車での通行の場合,笠置ダムから町道分岐までの間で最大の難所と感じられたのがここ(もちろん笠置ダムのゲートを除いての話)。
狭い道なのでここでハンドルを取られたり,動けなくなったりした場合は危ない。

逆に言えば,難所といってもこの程度である。動かせない巨大落石や,土砂崩れがあるわけではない。

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笠置ダムのゲートから約7.3kmの地点。

町道分岐までは残り200mほど。
どういうわけか,「この先 全面通行止」と書かれた案内板が柵ごと道路から落ちている。
裏返しになっている案内板には,事前の情報収集によれば「この先 全面通行止 恵那方面通り抜け出来ません 恵那土木事務所」と書かれているはずである。

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路上河川。

先ほどの,案内板が落ちている場所の5mほど手前にある。
路面を掘ったのか水流で削られたのか,川が路上を横切っている。 水流のある路上河川はここまでの道程ではここが初めてである。 幅は狭いながらもそこそこの水量がある。

この辺りでもAUの携帯電話の電波状況は悪くない。

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内側(笠置ダム側)から見た町道分岐のゲート。

笠置ダムのゲートから約7.5kmの地点。
町道分岐側にも笠置ダム側と同様に,事前収集の情報にはなかった頑丈なゲートが現れた。 時刻は7:00少し前。

このゲートの向こうが町道分岐であり,少し広くなっている。 右側にUターンするようにして進む登り坂が町道で,直進すると国道418号丸山ダム方面である。

笠置ダムから町道分岐までのまとめ

笠置ダムのゲートから町道分岐までは,おおよそ次のような状態。思いつくまま列挙する。

  • 全区間で1.0車線の狭い崖道
  • 離合可能場所は少ない
  • ほとんどの区間でダート路
  • 落石,落葉,枝はとても多い
  • 自転車での通行時は,石を踏むとバランスを崩すので注意が必要
  • 木曽川沿いに緩やかに下る平坦な道路。多少の上りもあるが誤差程度
  • ひどいぬかるみは1箇所だけ。小さな水たまりやぬかるみは後半に少々目立つ
  • 丸山ダムからの距離の案内板がときどきある
  • おにぎり標識は全くない
  • 動物の気配は薄い。鹿1頭を見かけ,蜂1匹に少しつきまとわれた程度
  • 人を全く見かけなかった
  • AUの携帯電話はほとんどの所で通話可能
  • 車での通行の最大の支障は笠置ダムと町道分岐のゲート
  • ゲートさえなければ車で通り抜け可能な水準の整備状況
  • 道中にバリケード/土砂崩れ/巨大落石といった,一人で処理できない障害物はない
  • 廃道というよりも現役林道に近い

町道分岐

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ゲートと擁壁と自転車と。

ゲートを越えて振り返った様子。 ゲートの山側(町道側)の隙間は,自転車と並んでは通れないが,先に自転車を通してから人が通るのであれば問題ないくらいの幅である。 バイクだと難しいかもしれない。

通行止めの案内板にはおにぎりが描かれていて,ここまでの道路が国道418号であることを示している。

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町道分岐ゲートの全景。

このゲートは道の両側の基礎に支柱を立て,左側の支柱を軸に扉が回転して開閉するタイプ。 右側の支柱と扉にチェーンを巻いて施錠できるようにしてある。

ゲート右側は,急斜面というか崖になっていて,人がゲートにつかまりながらやっと通れる程度である。 自転車とかバイクだと転落する。

ゲートの案内板には可茂土木事務所と書いてあり,ゲートの奥に見える白い案内板には恵那土木事務所とある。
そこから判断すると,実際の土木事務所の管轄の境界は市町境ではなくこの町道分岐なのかもしれない。

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町道分岐の全景。

町道分岐は広くなっていて,車が離合や転回をするのに十分なスペースがある。

ゲートの左の上り坂が町道。路面は荒れている。 地図を見た感じではヘアピンカーブを伴う狭路らしい。
一方,ゲートの奥はいま通ってきた笠置ダム方面行きの国道418号。

手前右側には標識や案内板が立っている。それらを見てみると‥‥

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町道分岐にある,丸山ダム方面への通行者向けの案内板。

最大幅2.0mの標識と6枚の案内板による豪華なお出迎え。 通行止めという内容が多いが,ゲートやチェーン等,通行を遮るものはない。

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一番手前の案内板。

「この先8kmの区間は落石復員狭少 急カーブが多いので注意してください。特に降雨降雪路面凍結強風の場合には通行を避けて迂回路へお廻りください。」と書かれている。
この「迂回路」がどの道を指すのかはよく分からない。 笠置ダム方面から国道418号を通ってきたのなら迂回路は町道だし,町道を下りてきたのなら迂回路は笠置ダムへ向かう国道418号ということになる。

いずれにせよ国道がゲートで通行止めになっている現状では,迂回路という言葉にもはや実質的な意味はない。

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大型車 通行不能。

この案内板を見る大型車は一体どこからここに来るのかが謎。 どの道を使っても大型車ではとてもここまで到達できそうにないから,ここで大型車にメッセージを送る意味があるとは思えない。

仮にここに大型車がいたとしたら,その時点で詰み確定である。

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通行止め 4連発。

崩土発生や路側決壊など理由はいろいろあれど通行止めである。とにかく通行止め。

ここからは国道418号を直進し,約3.5km先の二股隧道に向かう。



作成日:2012/06/05
更新日:2012/06/05